司法修習の総まとめ「集合修習」とは?集団生活、講義…集合修習の実態

更新日:2019/12/18
弁護士

司法修習の総まとめ「集合修習」とは?集団生活、講義…集合修習の実態

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司法試験合格後の司法修習では、最後に「集合修習」が行われます。
集合修習は、司法修習の総まとめといえるもの。
講義をみっちりと受けるとともに、集団生活を楽しむこともできます。
この記事では、集合修習がどのようなものなのかを見ていきましょう。


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集合修習とは

集合修習とは、司法修習で実務修習を終えた後、和光市にある「司法研修所」に修習生が集合して行います。

A班とB班に分かれて行われ、
・A班…8月中旬~9月下旬
・B班…10月初旬~11月中旬
の約1ヶ月半にわたって行われます。

A班が集合修習を行っている期間中、B班は選択修習を行います。
逆に、B班の集合修習が行われている期間中は、A班は選択修習を行います。
A班とB班は、実務修習地別に次のように分けられます。

A班…東京・立川・横浜・さいたま・千葉・大阪・京都・神戸・奈良・大津・和歌山 B班…A班以外の実務修習地

和光の司法研修所まで自宅から通うことができない人は、司法研修所内にある「いずみ寮」に入寮することができます。
いずみ寮は、個室が完備されていて、1室はビジネスホテルのシングルルームくらいの広さです。
勉強用の机と椅子、それにユニットバスが備え付けられています。

ただし、寮の定員より入寮希望者が多い場合には、自宅が遠い人が優先して選ばれます。
A班の場合には、首都圏が実務修習地の人は入寮できないため、近畿圏が実務修習地の人はほぼ全員が入寮できることが多いようです。
B班は、抽選が行われて漏れる場合もあるようです。
抽選から漏れて入寮できなかった場合には、司法研修所の近くに自分で住まいを探さなくてはなりません。
マンスリーの物件を利用する人が多いようです。

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集合修習では何をやるのか?

集合研修では、講義がみっちりと行われます。
また、レクリエーションや旅行などの集団生活を楽しむこともできます。

講義

講義は、月曜日~金曜日の週5日、1日に3限が行われます。
講義の時間は、
1限目…9時50分~11時40分
2限目…12時40分~14時30分
3限目…14時45分~16時35分

それぞれ50分×2コマの100分です。
講義は、70名ほどから構成されるクラス単位で受講します。

講義の科目は、民事裁判、民事弁護、刑事裁判、検察、刑事弁護の5科目。
それぞれ経験豊富な実務家が教官として選ばれます。
それぞれの科目において、2回の起案とその解説講義、講義および模擬裁判が行われます。

起案は、集合修習の中心となるもので、丸1日かけて行われます。
100ページ程度の記録をわたされ、それを読んで30~40ページの答案を作成。
作成した答案は採点され、答案を解説するための講義が行われます。
採点はA~Eまでの5段階で、成績があまりに悪いと2回試験がアウトになることもあるといわれます。
講義は、実務的な内容のものが行われます。
模擬裁判は、民事・刑事ともにあります。

集団生活

司法修習は、講義を受けるばかりではありません。
司法修習生同士の懇親を深めることも目的としているため、集団生活を存分に楽しむこともできます。
司法修習所内には、テニスコート、サッカーコート、および体育館があります。
また、司法修習書に隣接している緑地公園には、ジョギングに適したコースもあります。 集合修習でできた仲間とスポーツを楽しむことができるでしょう。
また、和光市駅から東武東上線に15分くらい乗れば、池袋に出ることもできます。
池袋で懇親会が行われることも多いです。
クラスで旅行が計画されることもあります。旅行には、教官が参加してくれることもあるとのこと。教官とゆっくりと懇親を深めることは、非常に有意義だといえるでしょう。
そのほかに、弁護教官に、ご自身の所属事務所を見学させてもらえることなどもあります。
さまざまな出会いを楽しむことで、司法修習はより思い出深いものとなることでしょう。

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集合修習の一日

集合修習の1日のモデルケースを見てみましょう。

7時 起床。ジョギングをして汗を流す。
8時 朝食(研修所の向かいにあるコンビニで購入する人が多い)
9時45分 司法研修所へ登庁。登簿へ押印して教室へ
9時50分~11時40分 検察起案の解説講義。
11時40分~12時40分 昼食。研修所内で販売されるお弁当を購入。
12時40分~16時35分 民事の模擬裁判。役割分担ごとに配布された資料を見て、立証活動を行う。
17時~20時 教官も同行し、池袋の居酒屋で懇親会。
21時~23時 講義の復習をして就寝。

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集合修習の後は考試(二回試験)が待っている

司法修習は、修習後に行われる修了試験に合格し、はじめて修了できることになります。
法曹になるためには、司法試験と、この司法修習の修了試験の2度にわたる試験に合格しなければなりません。
2回目に行われることから、司法試験の修了試験は「2回試験」とも呼ばれます。

2回試験の試験科目は、集合修習の科目と同じ、民事裁判、民事弁護、刑事裁判、検察、および刑事弁護の5科目です。
1日に1科目、5日間にわたって行われ、1回の試験時間は7時間半にわたる非常にハードなものとなります。

2回試験がもし不合格だった場合は、翌年の2回試験まで待たなくてはなりません。
以前はあった2回試験の追試制度が、現在ではなくなったからです。
しっかりと準備を整え、2回試験に臨みましょう。

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まとめ

司法修習の最後に、みっちりと講義を受けるとともに集団生活も楽しむことができる集合修習。
集合修習を終え、2回試験に合格すれば、いよいよ法曹としての道に一歩を踏み出すことになります。
講義にも集団生活にも積極的に取り組み、集団修習を有意義で思い出深いものにしていきましょう。

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