企業内弁護士(インハウスローヤー)の年収は?年収を下げずに転職する方法を紹介!

更新日:2023/11/24
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企業内弁護士(インハウスローヤー)の年収は?年収を下げずに転職する方法を紹介!

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弊社MS-Japanが提供する士業・管理部門特化型転職エージェント「MS Agent」のキャリアカウンセリングや各種個別相談会では、弁護士の方から以下のような質問を頂きます。

「勤務弁護士と企業内弁護士では、どちらが良いですか?」
「企業内弁護士に転職すると年収は下がりますか?」

勤務弁護士と企業内弁護士(インハウスローヤー)には役割や人事制度、働き方などの違いはありますが、中でも「年収」の差は、多くの方が気になるポイントでしょう。
そこで、今回は企業内弁護士(インハウスローヤー)の「年収」について、MS Agentにご登録いただいている弁護士の情報を元に企業内弁護士の年収実態を解明していきます。

※掲載データは、MS Agentにご登録頂いている求職者情報を元に作成しています。

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弁護士全体の平均年収は〇〇万円!?

2022年4月から2023年3月にMS-Japan経由で転職をされた弁護士の決定年収(※)を見ると、弁護士全体の平均年収は700万円以上です。
令和3年民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は443万円であるのに対し、弁護士は20~40代の全年代で700万円以上の年収を得ており、弁護士自体の年収が高いことが分かります。

年代 弁護士の平均決定年収 弁護士の決定年収中央値
20代 710万円 650万円
30代 753万円 650万円
40代 731万円 820万円

年収を比較する際は、個々人で額によりばらつきが出やすいため、平均値よりも中央値で見ることが一般的です。
このことを踏まえ、年代ごとの決定年収中央値を比べると、40代の決定年収が20~30代と比べて高いことが分かります。
決定年収が高くなる理由は、40代の方が経験と実績が豊富にあるからだと言えるでしょう。
入社時から高い役職に就くケースもあるため、これから経験を積み重ねる20~30代と比べて決定年収が高くなると考えられます。

※決定年収:転職を受け入れる企業が個人に提示する年収のこと


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年収が高いのは?勤務弁護士vs企業内弁護士

次に同年度のデータを、法律事務所(勤務弁護士)、企業法務(企業内弁護士/組織内弁護士)に分類して、平均決定年収と決定年収中央値をまとめました。

【年代別】平均決定年収 勤務弁護士(法律事務所) 企業法務
全体 1,136万円 725万円
20代 837万円 610万円
30代 933万円 720万円
40代 1,226万円 756万円

【年代別】決定年収中央値 勤務弁護士(法律事務所) 企業法務
全体 960万円 653万円
20代 749万円 575万円
30代 905万円 645万円
40代 1,320万円 840万円

平均決定年収と決定年収中央値のどちらの数字から見ても、企業内弁護士よりも勤務弁護士の方が年収が高いという結果が出ました。
年収だけで考えると法律事務所の勤務弁護士として働いた方が、より高い年収を得られます。
しかし、企業内弁護士の大きなメリットは、企業と雇用契約を結んで勤務するため、個人の成績に関係なく安定して決まった年収を得られる点や、福利厚生などの待遇面にあります。

各年代の決定年収中央値を見ると、20代よりも30代、そして40代へと年代が上がるにつれて、決定年収の増加幅も大きくなります。
決定年収の上昇傾向は勤務弁護士と企業内弁護士の両方で見られ、どちらも40代からの転職では、これまでの実績や経験はもちろん、役職での活躍やマネジメントなどの人材としての付加価値が企業から期待されていると考えられるでしょう。


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アンケートから見える企業内弁護士の年収

日本組織内弁護士協会(JILA)の「企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2022年3月実施)」を参照し、企業内弁護士の経験年数や業種、ポジションによる年収の違いについてまとめました。

企業内弁護士の経験年数別年収額は、5年未満で500万円~750万円未満の層が多く、5年~10年未満は750万円~1,000万円未満の層が多いという結果が出ています。
このことから、経験年数が浅いうちは年収1,000万円以上を得るのは難しいことが分かります。

10年以上になると重要な役職に就いていることが多く、1,000万円以上の年収層が一般的です。
経験が20年を超えると、ほとんどが2,000万円以上となりました。
経験と実績が積み重なり、立場が上がるにつれ、年収も上がっていくものと考えられます。
つまり、将来的に高い年収を得たい場合は、就業環境が安定している企業内弁護士であって、もさまざまな経験を積んでいくことが重要です。

次に、業種別で企業内弁護士の年収を見てみましょう。
メーカー業界では、750万円~1,000万円未満の層が最も割合が高く、28.6%を占めています。
また、少数ではありますが、1,250万円以上層も見受けられます。

金融業界の最も多い年収層は1,000万円~1,250万円未満で、33.3%を占めています。
割合は小さいですが、1,250万円以上の層も存在し、基本的に金融の企業内弁護士は高年収を得られるケースが多いと考えられます。
特にJPモルガン、ゴールドマン・サックスなどの外資系は年収水準が高い傾向があります。

IT業界の最も多い年収層は29.7%を占める750万円~1,000万円未満です。
1,000万円以上の層も少なくないため、転職先に大手企業を選ぶか、経験次第で高い年収が期待できます。

最後にポジション別の企業内弁護士年収を見ると、一般従業員の年収は500万円~1,000万円未満が7割を占めています。
管理職になると1,000万円以上の層が多くなります。
役員やジェネラルカウンセルになるとさらに上昇し、2,000万円~5,000万円以上の年収を得ている層も6割近くに上りました。


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安定した年収だけじゃない!企業内弁護士のメリットとは?

企業内弁護士のメリットは、安定した年収と待遇面だと先述しましたが、魅力はそれだけではありません。
大きなメリットは、勤務弁護士とは異なる働き方ができる点にあります。

たとえば、勤務弁護士の場合は、クライアント企業から相談を受け、外部から企業をサポートしますが、企業内弁護士は、自身が所属する企業の事業や業務に携わりながら、法的な業務を担います。
企業規模や業種により仕事内容が異なりますが、契約法務や法律相談窓口、社内規定の策定やコンプライアンス対応などの企業内法務が主です。
企業活動に法的な問題がないか、経営陣からアドバイスを求められるケースもあるでしょう。
法律分野以外でも組織人としてのスキルアップが望める環境でもあり、企業内弁護士ならではのやりがいがあります。

また、ワークライフバランスを改善したい場合は、企業内弁護士の方が働きやすいと言われています。
勤務弁護士の場合は、時期や引き受けた仕事によっては、残業時間が長く、休日出勤が必要になる場合もあります。
働き方の自由度は高いものの、仕事に忙殺されてワークライフバランスが取りにくい傾向があると言えるでしょう。

一方、企業内弁護士の働きやすさはデータからも見て取れます。
日本組織内弁護士協会の「企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2023年3月実施)」によると、一日の平均的な勤務時間で最も多かった回答が41.7%の「8時間~9時間未満」です。
土日祝の休日出勤の有無についても、8割が「ほとんどない」という回答をしています。
また、現在の勤務先を選んだ理由として「ワークライフバランスを確保したかったから」の回答が最も多く、6割を占めています。
これらのデータからも分かるように、働きやすさを求めて企業内弁護士を選ぶ人は実際に多いようです。

さらに、福利厚生が手厚い点も、企業内弁護士の大きなメリットです。
法律事務所の多くは業務委託制度を採用しているため、特に小規模(個人)の法律事務所では福利厚生が十分ではないケースが多く見られます。
その点、企業内弁護士を配置する規模の企業は、有給休暇や退職金制度だけでなく、確定拠出年金制度、各種手当、各種社会保険、連休制度などが整っている傾向があります。


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年収を下げずに企業内弁護士に転職するには?

法律事務所などの現在の職場からの転職を検討する際、今よりも年収が下がらないかどうかが気になる人は多いはずです。
年収を下げずに企業内弁護士に転職するための方法はいくつかあります。

1つ目のポイントは、管理職求人や管理職候補などの役職に就ける求人に応募することです。
前述の「アンケートから見える企業内弁護士の年収」では、役職が上がるほど年収も高くなる傾向が見られました。
そのため、転職する際は管理職候補の求人に応募すれば、年収を下げることなく職場を変えることが可能です。
ただし、管理職求人や管理職候補求人は、マネジメントの経験を必須とする場合があるので、注意が必要です。
管理職としてのマネジメント経験はなくとも、後輩の指導経験などでもマネジメントの素養を評価してもらえる場合もあるので、管理職求人や管理職候補求人に応募する際にはそうした経験を積んでおくことも重要です。

これまでの経験が活かせる分野の求人へ応募することも、年収を下げない重要なポイントです。
企業内弁護士の仕事では、その企業のビジネスを考慮した法的なアドバイスを求められます。
求人の応募条件で関連法律知識や業務経験を設定している企業も少なくありません。
そのため、法律事務所で担当していたクライアント企業と同業種・同規模の企業など、親和性が高い企業では、即戦力として高待遇に繋がるでしょう。

また、総合商社や金融業界の企業内弁護士では、年収水準が高めである傾向があります。
総合商社では、語学力や国際的な案件への対応力、高度なコミュニケーション力など多方面な高水準のスキルを求められますが、実力と意欲がある場合はチャレンジしてみましょう。
金融業界では、金融業界特有の法的知識や業務経験などの専門性が求められます。
そのほかには、外資系企業やグローバル企業も高水準での転職が期待できますが、高い英語力や外国法の知識などの専門性が必要です。


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高年収を期待できる企業内弁護士の求人事例

高年収を期待できる企業内弁護士の求人事例

ここでは、弊社「MS Agent」で取り扱う企業内弁護士の求人の一部をご紹介します。

【東証プライム上場】システム販売大手から法務(弁護士)求人

仕事内容
・契約書審査
・法律相談、紛争対応(発信者情報開示請求、トラブル等)
・内部通報窓口対応
・出資案件対応、公的機関からの照会対応
・知的財産管理(特許・商標)
・事務作業等
ポジション
法務(弁護士資格)
想定年収
500万円 ~ 800万円

総合エンタテイメント企業グループの持株会社での法務スペシャリストの募集です。

仕事内容
・契約書等法的書面作成、審査、契約交渉
・法律相談、法的アドバイス/ソリューション提供等
ポジション
弁護士資格歓迎!法務スペシャリスト
想定年収
800万円 ~ 1500万円

ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。このほかの求人は下記ボタンから閲覧可能です。
また、無料会員登録により、条件を満たす人にのみ紹介できる非公開求人をご紹介できます。

企業内弁護士への転職成功事例

次に、弊社「MS Agent」を利用して、年収を下げずに企業内弁護士への転職を成功させた事例を2つご紹介します。

「即戦力が認められポジションアップで転職」Iさん(45歳・男性)

転職前:ベンチャー企業 年収1000万円
転職後:証券会社 年収1200万円

Iさんは不動産のベンチャー企業で企業内弁護士として活躍していましたが、業績の変動が大きい関係上、予定収入よりも下回る状況が続いていました。
そこで、現在の職場よりも安定している企業を目指して転職活動を始めました。

新しいことへのチャレンジを重視していたIさんですが、入社当初の年収がダウンする可能性が高く、入社後に多くの知識のキャッチアップする必要がありました。
そこで、弊社からはIさんの強みである金融商品取引法の知識を活かせる企業をおすすめしました。
チャレンジは非常に刺激的で良いことですが、40代以降の転職は、即戦力としてのスキル・知識が求められ、水準に達していなければ評価を得ることは出来ません。
最後の転職先を考えるにあたって、実力を発揮できる環境なのかをしっかりと見極めることが大切です。

最終的に、Iさんは中堅の証券会社の内定を獲得し、入社を決意されました。面接で金融商品取引法の知識と経験をアピールしたことで、募集ポジションよりも高い職位での採用となりました。
このように、マネジメント層にあたる40代の転職では、キャリアの棚卸を十分に行って自分の強みや専門性を理解し、企業が即戦力として魅力を感じられる形でアピールできるように準備しておくことが重要です。

「英語力を活かして年収130%アップ」Aさん(30代前半・女性)

転職前:小規模の法律事務所、年収:500万円
転職後:大手グローバル企業、年収:650万円

Aさんは2つの法律事務所で一般民事案件を担当していましたが、企業法務分野に携わりたいと考えていました。
しかし、実務では携わる機会が少なかったため、企業内部から業務に関われる企業内弁護士への転職を決意して転職活動を始めました。

Aさんが得意とする英語力を活かして、グローバル企業への転職を目指しました。
製造関係の企業に絞って転職活動をし、無事に大手グローバル企業から内定を獲得し、入社を決断されました。
転職活動当初のAさんは、法律事務所勤務の経験しかなく、企業法務の経験がないことに不安を感じていましたが、弊社からは弁護士資格者の市場価値の高さをお伝えしたことで、新たなチャレンジに踏み切る決断をすることができました。


そのほかの転職成功事例は、下記リンクの弁護士の転職成功事例一覧からご覧ください。

まとめ

一般的に、企業内弁護士は法律事務所の勤務弁護士と比較して、年収が下がる傾向です。
しかし、企業内弁護士はワークライフバランスや福利厚生などの待遇面で優れているため、働きやすさを求めて選択する転職先としての人気が高まっています。 企業内弁護士は、転職先に選ぶ業種や企業規模、分野によって年収が異なります。そのため、多忙な仕事のなかで転職活動を効率的に進め、年収を下げずに転職したいと考えている場合は、転職エージェントにご相談ください。

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この記事を監修した人

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。
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