司法試験合格発表後にできる準備とは

更新日:2018/09/25
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司法試験合格発表後にできる準備とは

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司法試験の本番に臨むためには、年単位の「準備作業」が必要です。その多くは、合格点をクリアするための受験準備として、座学で基礎的な知識を習得したり、答案練習や模擬試験で、必要な知識を論理的にアウトプットする訓練を行ったりします。では、司法試験の合格発表後に行うべき準備には、何があるのでしょうか。

司法試験に合格した場合の準備

2022年の司法試験までは5月に試験が実施され、9月に合格発表、11月から司法修習が始まりましたが、2023年の司法試験からは試験日程が変更になり、7月に試験実施、11月に合格発表、3月に司法修習が開始と、合格発表から司法修習までに期間が長くなりました。
そのため、司法試験合格発表後は、司法修習に向けた準備を十分に行うことが出来ます。

一般的に実行しておくのが望ましいとされる司法修習準備は、「白表紙(しらびょうし)」と呼ばれる基礎教材の通読です。裁判官や検察官を目指すのであれば、必須といえます。

司法修習では、裁判官・検察官・弁護士のそれぞれの立場で、裁判実務で必要な模擬書類を作成する「起案」がメインになり、司法試験の論文答案とは方向性が異なる文章の執筆に慣れなければなりません。また、事実認定が重視され、それを法律に適切に当てはめたり、当てはめに必要な事実に絞って認定する「要件事実論」も重視されます。司法試験の勉強からスイッチを少しずつ切り替える練習を行っておくと、司法修習の世界にもすぐに適応できるでしょう。
もちろん、「予習」といえるほどの軽い心づもりでこなせる分量ではありません。1~2カ月計画で通読をしておくと、司法修習の高い要求レベルに置いて行かれるリスクを減らすことができます。
また、司法試験合格者に向けて事前課題も出されますので、該当箇所の白表紙を参照しながら回答を作成して返送します。

司法試験合格後、弁護士を目指すことを既に決めているならば、司法修習の前に法律事務所を訪問したり、先輩弁護士と交流を深めたりするなど、就職活動を早くも本格化させるのも有効です。

司法修習は1年間しかありませんし、修習が始まってからでは忙しくて就職活動に時間を割けないことも多くなります。司法試験合格のおめでたさに浮かれすぎず、気持ちを早く切り替えて、次のキャリアに向けてスタートダッシュを決めることが肝心です。

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司法試験後、不合格が決まった場合の準備(就職編)

現行の司法試験は、5年間の間に、5回まで受験することができます。5回の受験制限を使い切るまで挑戦を続けることもできますし、その前に撤退を決めることもできます。

法律事務所のパラリーガルや、一般企業の法務部門など、法曹資格が不要な法律職への就職を視野に入れるならば、早めに撤退を決断するほうが有利です。

5回の受験制限を使い切ってから就職活動を始めると、精神的に追い込まれてしまうことがありますし、そのプレッシャーが表情や言動にも出てしまいかねません。受験制限を限度いっぱいまで使い切るのは、いい意味では「目標達成のために努力を続ける粘り強さ」でもありますが、別の角度からは「なかなかコツをつかめない要領の悪さ」「適性が低いのに法曹にこだわり続ける諦めの悪さ」とも映るリスクもあります。どのように思われるかは採用担当者によって異なりますが、自分の実力を自分で理解していないと思われかねない要素は、司法試験からの早めの撤退で取り除くこともできるのです。

就職を目指すのであれば、法律の専門的知識をアピールするより、「チームワークの大切さ」「リーダーとしての経験」「今まででうまくいったコミュニケーション」など、会社組織に適応できる可能性を感じさせるエピソードを重点的に伝えるほうが有利です。

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司法試験後、不合格が決まった場合の準備(再受験編)

司法試験の不合格が決まれば、受験回数制限に引っかかっていない限り、来年のリベンジに賭けて再挑戦することも選択肢の一つです。

ただ、やみくもに再挑戦するのはよくありません。本試験での自身の答案や回答を再現し、何が足りないのかを客観的に分析しましょう。そして、その不足を徹底的に補う受験準備を進めることが、最終合格を一気に引き寄せるコツです。

また、すべてを完璧にこなそうとせず、「合格のために何を切り捨てるのか」を把握することも重要です。得意分野を強化するより、苦手分野を克服したほうが、合格ラインを超えやすいですし、試験時間に制限があるなら、苦手分野に時間配分を多く割いたほうが効率的です。勉強熱心のあまり、知識が豊富なほど合格に近づくと信じて疑わない人もいますが、満点を取らなくても合格できる事実を忘れてはなりません。

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まとめ

司法試験後、受験生の思惑はさまざまですが、おおむね「合格」「就職」「再受験」の3パターンに分かれるものです。合格はおめでたいことですが、合格だけが人生ではありません。どのような形であれば、5年後、10年後に、多くの人々から必要とされ、笑顔で仕事ができるのなら、素晴らしいことです。

<参考>
司法修習ナビゲーション 修習の事前準備

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