【コラム】 東京五輪で弁護士にも商機!?

【コラム】 東京五輪で弁護士にも商機!?

2013/09/19

2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定した。9月7日にブエノスアイレスで開催された総会で運命が決まった瞬間、日本は歓喜に沸き立った。東京は2016年五輪に続く招致だったが、24年五輪は、立候補がささやかされるパリが大本命とされていた為、今回が千載一遇のチャンスだった。

東京で半世紀ぶりのオリンピック開催が決定し、再開発に弾みが付くのは間違いない。1964年当時は、国立競技場や首都高などが整備されたが、老朽化が進んだ施設の建て替えや大改築が大義の下で行われる。日本橋の頭上を走る高速道路を移設して空の景色を取り戻すといった夢のある構想も浮上している。ゼネコンやデベロッパーの業績見通しが明るくなるだろうから、顧問先としても食い込んでおきたいところだ。

ただ、オリンピック・パラリンピックの主役はアスリートである。監督やコーチのような指導者と同様、陰から支える重要なスタッフに弁護士がいることも少なくない。オリンピックでおなじみの競技で今年に入り、弁護士の出番となったのが日本代表女子柔道選手への暴力問題だった。ロンドンオリンピックにも出場した選手を含むトップクラスの15選手が、当時の監督から暴力やパワハラがあったとして、日本オリンピック委員会(JOC)に告発。さらに全日本柔道連盟(全柔連)が問題を放置していたことが発覚し、その後の会長以下、役員の総入れ替えの事態へとつながる発端となったが、この間、弁護士が選手たちを代理人として支えた。

暴力問題のように法廷に持ち込まれる事案以外にも、スポーツ界の紛争は、日本スポーツ仲裁機構に持ち込まれる。典型例が、アスリートがドーピングの事実を巡って競技団体側と紛争になるケース。以前、サッカー元日本代表の我那覇和樹選手がドーピング疑惑でJリーグから出場停止処分を受けたことがあったが、実際は、体調不良の際にチームドクターから生理食塩水の点滴治療を受けたに過ぎなかった。この時はスイスにあるスポーツ仲裁裁判所の裁定を仰ぎ、我那覇選手の無罪が確定。勿論、弁護士もバックアップしていた。

こうした「有事」だけでなく、アスリートの肖像権管理といった仕事を請け負う場合もある。また、プロ野球やJリーグは、本人に代わって契約更改交渉などを行う代理人の有資格者として弁護士を要件にするなど(なおJリーグは国際サッカー連盟公認代理人も認めている)、一流アスリートになるほど弁護士との関わりは密接になっている。スポーツビジネスが発達してきた、ここ10数年はアスリートの権利意識も向上。弁護士の存在はますます重宝されている。東京にオリンピック・パラリンピックが来ることで、いっそうその傾向に拍車がかかるはずだ。

(文/新田哲史=コラムニスト、記事提供/株式会社エスタイル)

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