女性弁護士の年収は? 弁護士の仕事は育児などとの両立は可能?

女性弁護士の年収は? 弁護士の仕事は育児などとの両立は可能?

2019/04/26

女性弁護士の年収は? 弁護士の仕事は育児などとの両立は可能?

女性弁護士の年収はどれくらいなのでしょうか?女性弁護士の平均年収は、法律事務所や企業に勤務している場合には「593万円」です。女性弁護士は、独立して多くの収入を得るようになる人もいますが、ワークライフバランスを求めて企業内弁護士としての道を歩む人も多くいます。
この記事では、女性弁護士の年収、四大法律事務所はどうなのか、独立や企業内弁護士の選択肢についてご紹介します。

女性弁護士の年収はどれくらい?

それでは最初に、女性弁護士の年収がどれくらいになるのかを見てみましょう。

給与を受け取っている女性弁護士の平均年収は593万円

法律事務所または企業に勤務している女性弁護士の平均年収は、「593万円」です。
これは、厚生労働省が調査している「平成29年賃金構造基本統計調査」によるものです。
賃金構造基本統計調査とは、厚生労働省が毎年7月に調査を行っているもので、毎回5万社以上の事業所が回答をしています。
「給与所得者」を対象とした調査ですので、ここでの「弁護士」は、法律事務所に勤務している勤務弁護士、または企業に勤務している企業内弁護士だと考えられます。

年収の内訳は、

毎月の給与 43万円
年間における賞与の合計額 83万円

となっています。

また、男性弁護士と女性弁護士で年収を比較すると、

性別 年 収
男性 1,097万円
女性 593万円
平均 1,029万円

となっています。男性弁護士と女性弁護士には、残念ながら大きな格差があることがわかります。

女性の職業別の年収ランキングを見てみると、次のようになります。

順位 職 業 年 収
1 航空機操縦士 1,113万円
2 公認会計士/税理士 1,044万円
3 医師 1,042万円
4 大学教授 969万円
5 大学准教授 823万円
6 大学講師 657万円
7 記者 652万円
8 歯科医師 619万円
9 高等学校教員 602万円
10 弁護士 593万円

これによると、弁護士は第10位となっています。
男性の場合には、弁護士は、医師、航空機操縦士、大学教授、および公認会計士・税理士に次いで第5位です。
女性弁護士の年収は、男性弁護士と比較して、大きな格差があるだけでなく、職業全体のなかでも相対的に低いということが言えるでしょう。

開業弁護士も含めた平均年収の推計は1,235万円

上の年収は、法律事務所または企業に勤務している弁護士のものでした。
開業弁護士も含めた女性弁護士全体の年収は、データとして公開されているものはありませんが、推計すると「1,235万円」となります。

日本弁護士連合会が発表した「弁護士白書 2018」において、男女を合わせた、弁護士全体の平均収入は「2,143万円」とされています。
ここでの男女弁護士の年収の比率が、平成29年賃金構造基本統計調査にある男女弁護士の年収の比率とおなじだと仮定すれば、「2143万円 ÷ 1,029万円 × 593万円」で、1,235万円になるからです。

女性弁護士は思ったほど稼げないのが現実

上記で見たように、女性弁護士の年収は、職業全体としてみれば第10位に入る高収入であるといえます。
ただし、男性弁護士と比較した場合には、非常に大きな格差があるのとともに、職業全体としてみても相対的に低くなっています。
「女性弁護士は思ったほど稼げない」のが現実なのでしょうか。

やはり四大法律事務所は女性弁護士でも高収入

女性弁護士の年収は、全体としてみた場合には「思ったほど稼げない」といえそうですが、四大法律事務所に入所した場合には、女性弁護士でも高収入を得ることができます。
四大法律事務所とは、

・アンダーソン・毛利・友常法律事務所
・長島・大野・常松法律事務所
・西村あさひ法律事務所
・森・濱田松本法律事務所

のことを指します。それぞれが、500名前後の弁護士を抱えています。

四大法律事務所では、男女の格差なしに入社1年目から「1,000万円」を超えるといわれています。
入所して5年目くらいまでの年収相場の推移は、次のようになるとされています。

入所からの期間 年収の相場
入所1年目 1,100万円~1,200万円
入所3年目 1,300万円~1,500万円
入所5年目 1,500万円~2,000万円

女性弁護士の独立は?

弁護士のキャリアパスとして「独立開業」も大きな選択肢となります。独立すれば、すべてが自身の裁量に任されることとなりますので、勤務弁護士と比較して自由度が増します。
実際に、上で見た通り、開業弁護士を含めた弁護士全体の平均年収2,143万円は、給与を受け取っている弁護士の平均年収1,029万円の2倍以上となっています。女性の場合でも、独立して稼ぐ弁護士はたくさんいます。
ただし、法律事務所を開業すれば、弁護士自体の業務のほかに、さまざまな業務に時間を割かなければなりません。
法律事務所を開業すれば、顧客を獲得しなければなりません。顧客獲得のためのマーケティング業務は欠かせないものとなります。
また、事務所を維持するためには、オフィスの家賃や人件費、備品代などさまざまな費用がかかります。それらを切り盛りするための経営にも時間を取られることとなるでしょう。
開業弁護士として独立した場合には、忙しくなることを覚悟しなければならないでしょう。

育児などワークライフバランス重視の場合は、企業内弁護士がおすすめ

女性の場合、出産や育児をどのようにしていくかも問題です。育児と仕事を両立するためにワークライフバランスを重視する場合には、「企業内弁護士」がおすすめです。
一般企業の場合には、就業規則に従って決まった勤務時間で業務を行うこととなります。したがって、顧客に合わせて仕事をする法律事務所での勤務と比べ、ワークライフバランスが保ちやすくなります。
そのために、法律事務所から企業へ転職する女性弁護士も多くいます。
企業内弁護士の平均年収は、日本組織内弁護士協会が2018年に実施したアンケート調査によれば「904万円」です。
上で見た、法律事務所に勤務している弁護士も含めた平均年収「1,029万円」や、弁護士全体の平均年収「2,143万円」と比較すればやや低い収入となります。
とはいえ、企業の場合は、安定しているといえますし、福利厚生まで含めれば法律事務所と遜色のない収入となることもあります。

まとめ