【コラム】株主代表訴訟に怯える企業法務

【コラム】株主代表訴訟に怯える企業法務

2014/05/29

みずほ銀行が暴力団へ融資した問題では、みずほフィナンシャルグループの株主が16億7千万円の損害賠償請求を東京地裁に起こした。みずほの暴力団不祥事による株主代表訴訟はこれが初めてとなる。原告の株主らは、役員らが暴力団関係者への融資を把握できたのにも関わらず、阻止を怠り、企業価値を損ねたと指摘している。

株主代表訴訟は会社法第847条で認められた権利。株式会社が役員の違法行為を追及しない場合、株主が代わりに訴えを提起できると規定されている。 物言う株主が定着して以降、株主の企業経営への監視が強まる傾向が表れているようだ。

中小企業の株主総会は形骸化?

地裁レベルにおける株主代表訴訟は、年間150件前後で推移している。2011年には200件の大台を超えた。遡れば、1993年の旧商法改正で、訴訟に関する手数料が一律8,200円(現在:13,000円)となり、株主による訴訟案件が急増したことに始める。株主代表訴訟といえば大企業が主役のように感じるが、以前は中小企業が舞台になることがほとんどだった。

同族経営からくるトラブルから、中小企業の方が上場企業より訴訟リスクは高いとされている。現在でも株主代表訴訟の多くは中小企業で起きている。中小企業の株主総会はお手盛り感が強く、開催すらままならない企業も存在する。

企業の監視を強める株主!

ワンマン経営者による企業の私物化から株主代表訴訟が起きるパターンが見て取れる。内紛型といえるのが中小企業における株主代表訴訟の特徴だ。一方、上場企業では株主が直接利害関係を有している訳ではないが、少数株主でも企業経営に対し厳しくチェックする時代になっている。景気の景況感により株主の動向が変化すると言われる。

多少なりとも景気が持ち直すと株主の声は緩むとされ、株価の上昇で企業価値が高まれば株主総会は平穏に進行するという。とはいえ、株主の企業に対する視線は年々厳しさを増している。株主代表訴訟の賠償額も巨額化しているように思える。

巨額賠償に企業の役員達は......?

「蛇の目ミシン工業」の株主代表訴訟では、取締役5人に対して583億円の賠償を命じる判決が確定した。「ダスキン」の事件においては、役員13人に53億円の損害賠償支払いが出されている。この他の事案でも巨額賠償の支払いが相次いでいる。

会社法第423条により、取締役・執行役等が任務を怠ったとき、会社に対し損害を賠償する責任を負うと決められている。大企業の中には、1億円以上の年収を得る役員もいるが、上場企業の平均役員報酬は年間3000万円前後とされる。物言う株主が増え、ずさんな経営をしていると、想像もつかない賠償金を払う事態になりかねないご時世のようだ。

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