注目度上昇中の職業、パラリーガルになるには?資格は必要?

注目度上昇中の職業、パラリーガルになるには?資格は必要?

2019/11/05

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「パラリーガル」という職業をご存知でしょうか。
一般的な知名度は決して高くないものの、近年では、海外ドラマなどの登場人物が就いている職業として、以前よりも注目されつつあります。
今回は、知られざる「パラリーガル」という仕事の概要や、パラリーガルを目指すにあたっておすすめの資格についてお伝えしています。


パラリーガルとは?

パラリーガルとは、法律事務所に勤務し、弁護士の指示ないし監督のもとで法律事務を行う専門職をいいます。具体的には「弁護士秘書」や「法律事務所スタッフ」などが、これにあたります。
近年では、消費者金融業者への貸付金返済に関して、依頼人から受けた「過払い金請求」に必要な法律事務を、パラリーガルが最前線で実施してきたことでも注目されています。

弁護士法72条は、弁護士でないものが報酬を得て法律業務を行うことを禁じています。
よって、パラリーガルが独立した裁量判断で法律業務を行うことはできず、必ず弁護士の指揮命令に従って、付随的・定型的な法律業務を行わなければなりません。
パラ(para)という接頭語には、「副次的」「補助的」などの意味合いがあります。

たとえば、以下のような業務がパラリーガルの職域です。

  • 裁判資料のコピー業務
  • ファイリング業務
  • 裁判所など官公庁への書類提出などの必要な手続き
  • 来客応対業務
  • 電話応対業務
  • 弁護士会照会による開示書類の取り寄せ業務
  • 法令や判例のリサーチ業務

弁護士秘書ですと、弁護士のスケジュール管理や、出先への付き添いや補助なども基本業務に含まれます。

パラリーガルになるには?未経験でも働ける?

パラリーガルになるためには、特別な資格などは必要とされません。
法律事務所で働くことがスタートとなります。未経験者でもパラリーガルになることは可能です。
書面の作成や資料の調査などがパラリーガルの主な仕事です。
そのため、法律の知識より実地での経験が重視されることになりますが、パラリーガルも法律に関する事務を行う以上、法律についての一定の知識は必要です。
法学部や法科大学院の出身者は優遇されることもあるでしょう。

また、日本リーガルアシスタント協会(JLAA)が主催するパラリーガル認定資格講座や、日本弁護士連合会が主催する法律事務職員能力認定試験など、パラリーガルとしての実務能力を養成する講座、認定する試験もあります。
JLAAの講座は未経験者でも受けられますので、認定資格を取得すれば、パラリーガルとしての就職には有利になるといえるでしょう。

パラリーガルとして就職した場合でも、未経験者なら、電話・来客の応対や事務作業などの秘書業務から仕事をスタートすることが多いでしょう。
法律事務所の雰囲気になじみ、弁護士の指示が理解できるようになってはじめて、パラリーガルとしての業務を手掛けることが一般的です。

パラリーガルの求人には、正社員や契約社員、派遣社員、アルバイトなど多様な雇用形態があります。
どの雇用形態を選ぶかは、パラリーガルになるにあたってよく考える必要があるでしょう。
契約社員や派遣社員より、正社員の方が、待遇は一般的によくなります。
したがって、バリバリと仕事をして経験を積みたいときは、正社員になるのがよいといえます。
それに対して、出産や育児、介護などでワークライフバランスを取る必要がでてくることもあるでしょう。
その場合には、契約社員や派遣社員・時短社員などを選ぶことも考えられます。

パラリーガルと弁護士秘書を比較した場合、パラリーガルの方が待遇はよくなります。弁護士秘書より、専門性が高い仕事を任されることになるからです。
法律事務所の求人には、パラリーガルと弁護士秘書の両方があります。パラリーガルになりたいのであれば、「パラリーガル」と明記されている求人に応募することが重要です。
ただし、パラリーガルであっても事務所によっては、弁護士のスケジュール管理や電話・来客の応対など、秘書業務を兼ねるケースもあります。

パラリーガルに向いている人は?

パラリーガルの仕事の基本は、法律事務となります。
まず、事務的なスキルが高い人にはパラリーガルの適性として、第一条件を満たしているといえるでしょう。
正確かつ迅速に、決められた手順や手続きに沿って仕事を進められる人です。また、図書館などにこもって長時間の調べ物をすることが苦にならない人も向いています。
しかし、淡々と仕事を進めて、事務処理能力が高いだけでは、パラリーガルの適性には足りません。法律事務所という人を相手にする職場で事務を進めるため、コミュニケーション能力も重要となります。
法律事務所を訪れる人は、トラブルを抱えて深く悩んでおり、心理的に極限状態にあることも多いので、パラリーガルは共感しつつ配慮を持った言葉づかいができる人でなければなりません。

さらに、法律の世界に関心があり、常に勉強を怠らない姿勢があると素晴らしいです。法律は難解ですし、勉強量も多いです。
法律を単なる手続きのマニュアルとして捉えるのでなく、どのような目的で定められ、誰を何から保護しようとしているのかまで想像できると、法律事務所に勤めるスタッフとして高く評価されるでしょう。

パラリーガルに求められる資格は?

日本で、パラリーガルの業務に就くために必須となる資格は存在しません。
弁護士とは違い、特別な資格が無くても法律事務所に勤務できる点が大きな魅力といえるでしょう。
つまり、規模の大きな法律事務所の運営は、弁護士だけでなく、特別な資格を持たないパラリーガルの力でも支えられているといえるのです。
弁護士や、その隣接士業(行政書士、司法書士、社会保険労務士など)の資格取得を目指すにあたっての前段階、下準備として、パラリーガル業務を選択する人も増えています。

しかし、パラリーガルとして採用されるにあたって有利な資格や検定を、いくつか挙げることもできます。
まず、JLAA(日本リーガルアシスタント協会)が主催するパラリーガル認定資格講座は、パラリーガルとしての業務に就くにあたっての知識や素養を総合的に身につけることができます。「エレメンタリー(初級)」「インターメディエイト(中級)」「アドバンスド(上級)」の3段階がありますので、まずはエレメンタリーからチャレンジしてみましょう。

日本弁護士連合会が主催する法律事務職員能力認定試験も、パラリーガルを対象としていますが、こちらは職務経験者のみを対象としています。まずはパラリーガル経験がなくても受講できるJLAAのエレメンタリー・パラリーガル講座を検討するのが得策です。

ほかにも、ビジネス実務法務検定試験(1級~3級)や、ビジネスコンプライアンス検定(初級・上級)、個人情報保護士などを取得しておくと、他のパラリーガル志望者に差を付ける、プラスアルファの業務能力を裏づけることができます。
また、実際にパラリーガル業務に就くと、金額計算や図表、書類作成を中心とする法律事務所業務の性質上、ワープロソフトと表計算ソフトを頻繁に使うことになります。
そこで、Microsoft WordとExcelに関わるMOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)資格を取得しておくといいでしょう。
基本的な事務処理能力をアピールでき、パラリーガルとしての就職に有利になります。

弁護士秘書を目指すならば、秘書技能検定(1級~3級)の資格がおすすめです。
この検定に必要な技能を習得しておくことで、さまざまな日常業務に対応できるだけでなく、ビジネスマナーを身につけることができます。
これに合格していれば、必要最低限のビジネスマナーは備わっているとみなしてもらえるので、転職を考える際などにもアピールポイントになるでしょう。
同様の理由から、簿記検定も有利な資格と言えるかもしれません。

パラリーガルの年収

パラリーガルの年収は、初年度で200万円~300万円、キャリアを積むことにより300万円~400万円くらいになるのが一般的です。
ただし、専門性の高い業務を取り扱うことができる知識やスキルがあれば、年収はさらに高くなることが見込めます。

たとえば、破産や民事再生などについての業務に必要なだけの知識やスキルがあれば、破産申立や配当表などの書面の作成、債権者集会での書面作成や現場管理などを行うことができるでしょう。
その場合には、年収は450万円~500万円程度になることが見込まれます。
また、企業法務の事務手続きに必要とされる知識やスキルを身につければ、大規模な弁護士法人で勤務することもできます。
その場合には、年収は550万円~600万円ほどになるでしょう。

パラリーガルのキャリアパス

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パラリーガルは、法律事務の手続きに関するスペシャリストであるといえます。
法律事務の手続き方法は一般に複雑です。たとえば、同種の事件に関する書面であっても、要求される形式が裁判所ごとに違うこともあります。パラリーガルとして経験を積むことにより、それら複雑な手続きについての知識とスキルを身につけることになります。
パラリーガルとしてのそれらの知識およびスキルは、どこの法律事務所でも通用します。したがって、経験を積んだ後、他の法律事務所へ転職してキャリアアップを図ることも可能でしょう。

また、パラリーガルの需要は今後拡大していくことが見込まれます。なぜならば、弁護士の人口が増えているからです。
弁護士の人口が増加したため、司法修習を終えた後、法律事務所へ就職することなくすぐに独立する新人弁護士が増えています。
それら新人弁護士は、法律についての知識はあっても、事務手続きについての知識はありません。
経験豊富なパラリーガルは、それらすぐに独立した新人弁護士にとって、手続き方法の指導を受けられる得難い存在であるともいえるため、ニーズはますます高まっていくでしょう。

パラリーガルのキャリアパスとして、司法試験を受験して弁護士になることも選択肢の1つです。
法科大学院を修了し、パラリーガルとして仕事をしながら司法試験を目指す人は多くいます。
パラリーガルになれば、弁護士の仕事を間近で見ることができます。
そのために、モチベーションを高く保ちながら司法試験の勉強に取り組むこともできるでしょう。
また、司法書士や行政書士、弁理士、社労士などの、隣接法律専門職の試験にチャレンジするための環境としても、パラリーガルは適しているといえます。
ただし、パラリーガルも決して暇な仕事ではありません。
パラリーガルの仕事をしながら資格試験に取り組むためには、限られた時間を有効活用するための工夫が強く求められることになるでしょう。

まとめ

パラリーガルは、日本では弁護士業務の補助的な役割に徹することになりますが、欧米では既に弁護士と対等の立場でパラリーガルは位置づけられており、社会的地位も高いです。
弁護士業務が今後、多様かつ複雑になるにつれ、国内でもパラリーガルの地位向上が見込まれます。

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