【コラム】存在感を増す仮想通貨......閣議決定された法規制の内容とは?

【コラム】存在感を増す仮想通貨......閣議決定された法規制の内容とは?

2016/04/20

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3月4日、政府はビットコインなどをはじめとした仮想通貨を規制するため、資金決済法の改正案を閣議決定した。
すでに多くの方がご存じだろうが、仮想通貨とは硬貨や紙幣のような実体を持たず、インターネット上の取引で「お金」に相当する機能を持つ通貨だ。しかし正式な通貨として認められているわけではなく、特定の国家機関による管理が行われていなかったために、さまざまなトラブルが起こっていた。

なぜ今、仮想通貨の法規制が行われるのか?

資金決済法などの改正案閣議決定は、仮想通貨の規制に政府がようやく重い腰を上げたといえる。「モノ」としか見ていなかった仮想通貨に「貨幣としての機能」を認めたということだ。その背景にはどのような理由があるのだろうか?

2014年、日本を拠点に仮想通貨取引所を運営していた「マウントゴックス」が、顧客のビットコインを消失した上、経営破綻したため、仮想通貨に対してマイナスイメージを抱いている人が多い。
しかし、これは世界中にある仮想通貨取引所の一つが破綻しただけ。ドイツの企業では従業員への給料の一部をビットコインで支払ったり、アメリカ・ラスベガスのカジノでは、ビットコインでレストランや小売店などの支払いができたりするなど、世界中で今も多くの人に利用されている。

インターネット上での経済活動を、円滑にするために作られたといわれているビットコインだが、そのシステムを支えているのは「ブロックチェーン」と呼ばれる電子空間上の台帳だ。
このシステムによって、ビットコインによる取引情報の記録や、改ざんなどによる二重取引の防止が可能となっている。

現在、三菱東京UFJ銀行がこのブロックチェーンの技術を活用して、独自の仮想通貨の開発を進めているという。「MUFGコイン」と名付けられたこの仮想通貨は、コインをスマートフォンに取り込むアプリケーションの試作品がほぼ完成したところで、まだ研究段階にあるという。
日本の銀行が仮想通貨の開発を行う例は、これが初めてだ。仮想通貨が本格的に貨幣としての価値を認められつつある事例の一つとして、見過ごすことはできないだろう。

インターネット市場では日々存在感を増しているものの、なかなか政府から通貨としての認識を持たれず、対策についても手つかずの状態が続いていた。
さらに近年、仮想通貨が過激派組織ISの資金源になっているとの懸念が強まっており、アメリカやドイツ、フランスといった主要国ではすでに仮想通貨取引所に対する規制を導入している。
このような世界的な流れが、日本においても法規制を行う後押しとなったものと考えられる。

閣議決定した法改正の内容とは?

この度、閣議決定した改正案では、主に以下のような取り組みが行われている。
●仮想通貨を「貨幣」と認定し、取引の際には通貨と同様の法律が適用される
●監督官庁を金融庁とし、取引所を登録制にして規制する。
●金融(Finance)と技術(Technology)を融合した、新しい金融サービス「フィンテック」の普及促進を目的とした規制緩和を行う。

しかし、この法改正が施行されたとしても、すべての問題が解消されるわけではない。

例えば、仮想通貨の購入と仮想通貨による買い物では、それぞれに消費税が課税され、二重課税になってしまうという問題が指摘されている。
これに対して政府は、取引実態の解明を進めることが先決であり、二重課税の解消は将来の検討課題にすると述べている。

仮想通貨が実在の貨幣と同様に活用できるようになるまでには、今後もさまざまな対策が必要であるようだ。しかし法整備が進むことにより、仮想通貨を用いたビジネスの機会が広い分野に及ぶことは間違いないだろう。
その時に備えて、仮想通貨の現状について把握しておくことは無駄ではないはずだ。

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