【コラム】活性化する宇宙ビジネス。法務との関わりは?

【コラム】活性化する宇宙ビジネス。法務との関わりは?

2017/02/22

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近年「宇宙」がより身近になってきました。「小惑星探査機はやぶさ」の帰還が大きなニュースになったことはいまだ記憶に新しいですし、昨年末は固形燃料ロケット「イプシロン」2号機の打ち上げが話題になりました。
かつては夢物語であった宇宙旅行も以前より現実味のあるものとなっています。
さまざまな国が宇宙に関する技術開発やビジネスを展開する中で、日本も宇宙に目を向けたビジネスのサポートに取り組んでおり、そのための法整備を進めています。
これから宇宙ビジネスが活発化するに伴い、弁護士がその法務に携わる可能性も考えられます。宇宙に関する法律について真剣に考えてみましょう。

2016年に可決された新たな法案とは?

2015年12月、安倍晋三総理大臣は「生産性革命において、宇宙分野を柱の一つとして推進する。特に民間による宇宙開発利用を支援する」と述べ、2016年10月に宇宙ビジネスに関する2つの法案が衆議院で可決されました。
1つは「宇宙活動法案(仮称)」、2つ目は「衛星リモートセンシング法案(仮称)」です。これらの法案の可決は、宇宙ビジネスの活性化につながる画期的な出来事であるといえるでしょう。

宇宙活動法案の正式名は、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律案」といい、民間企業がロケットの打ち上げや衛星の運用を行うにあたって守るべき事柄が盛り込まれています。従来、日本の宇宙開発は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主導となって行い、民間はその受注を受ける形で関わることが一般的でした。しかし宇宙活動法案が施行されると、人工衛星等の打上げ、人工衛星の管理に係る許可制度が確立され、ロケットや人工衛星に関する損害賠償制度なども導入されます。
具体的な基準が示されることで宇宙ビジネスにおいて新産業、新サービス、それに関わる雇用の増加などが期待できます。

衛星リモートセンシング法案は、正式には「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律案」といい、衛星が取得したデータの取り扱いについての法律となっています。世界の衛星リモセン記録の市場規模は、2013年の時点で1500億円程度といわれ、今後10年間で数倍に拡大するといわれています。また、衛星リモセン記録への悪用の懸念がある国や、国際テロリストの手にデータが渡らないよう管理するための法案も盛り込まれています。

宇宙ビジネスの活性化に伴い、把握しておくべき法令とは?

内閣府によると、世界の宇宙産業市場として、ロケットなどの打上げ産業は横ばいですが、衛星サービス(放送、通信、地球観測、化学など)は年々増え、2014年には約6割を占めています。
実際、実業家でタレントの堀江貴文さんも宇宙ビジネスに参入し、スポンサーとなって会社を設立しています。
日本国内の民間ベンチャー会社はまだ少ないのが現状ですが、小型ロケットの開発をはじめ、衛星から送られてくるビッグデータに係るビジネスなど、これからの展望のために研究開発、製造を行っている会社もあるようです。

宇宙ビジネスに関連する法案が施行されれば、民間ベンチャー会社が増加し、弁護士として依頼を受ける可能性も出てきます。東京弁護士会では、宇宙ビジネスに係る法律上の問題を研究するグループも誕生したようですが、適切な対応をするためにも宇宙に関するさまざまな法令を把握しておく必要があります。
上記で紹介した2つの法案のほかに、日本国内では「宇宙基本法」がありますし、国連総会で採択された宇宙に関する5 つの条約もあります。国際的な5つの条約は「国際宇宙法」と呼ばれ、「宇宙条約」「宇宙救助返還協定」「宇宙損害責任条約」「宇宙物体登録条約」「月協定」といった、宇宙活動の際に生じるさまざまな状況に関する法令が定められています。宇宙に関する法的な問題を解消するためには、こういった法律は理解しておかなければいけません。

日本国内ではまだまだ現実味の薄い話に感じられますが、アメリカを中心とした国際社会では活発な宇宙ビジネスが展開されています。いつか必要になるかもしれない業務として、宇宙に関する法律を今のうちに勉強しておいてもいいのではないでしょうか。

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