2018年05月11日

弁護士と司法書士の違いとは?

管理部門・士業の転職

弁護士と司法書士は同じような法的業務を行っているように思われていますが、業務の内容や試験範囲が異なります。ではどのように違うのか詳しく説明します。

試験や登録するまでの課程

弁護士
弁護士になるには、法務省が管轄する司法試験に合格する必要があります。また司法試験の受験資格を得るためには、ロースクールを修了するか司法試験予備試験に合格する必要があります。
最難関といわれる司法試験を突破し、約1年間の司法修習期間を経て、司法修習考試に合格した後にようやく弁護士の資格を得ることができます。そして、弁護士会に登録した者だけが弁護士として活動することができます。

司法書士
司法書士試験の管轄は同様に法務省ですが、司法試験とは異なります。また受験資格に制限はありません。
司法書士試験に合格した後、司法書士会に登録し、各司法書士会で実施する研修に参加する必要があります。司法書士事務所に配属され、実務を経験することもあります。

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責任範囲について

弁護士
弁護士・裁判官・検察官を総称し、法律を専門職とする者として法曹と呼びますが、弁護士は、裁判官や検察官と同様に、司法試験に合格し最高裁判所の司法研修所を卒業した人だけに法曹資格が与えられます。

弁護士は、弁護士になるための教育制度や資格制度から法律家として広範囲で高い知識と技術が担保されていると考えられています。
弁護士は全ての法律業務を取り扱うことができ、強い独立性が確保されています。これにより、行政など他の強い権力から不当に介入を受けることなく、依頼者の権利を守り救済活動を行うことができます。

司法書士
司法書士制度は、弁護士不足を解消するために弁護士が行き届かない業務を補うという意義もあり、司法書士法で定められた分野、範囲のみを取り扱うことができます。
また、司法書士会は法務省の監督下にあり、行政からの介入が排除されていません。

司法書士は弁護士と責任権限が異なりますが、業務に関する法令に精通していなければなりません。また、相談者の権利の擁護ため、公正に誠実業務を行う責任があります。

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業務内容について

弁護士
弁護士は、法廷での業務、紛争を予防・解決し人権を擁護する活動、立法や制度の運用改善に関連する活動があり、また、個人だけでなく企業や地方公共団体など組織内での活動など社会生活のあらゆる分野で活動しています。

弁護士は法律に関する業務全般に携わることができます。ですので、司法書士の主な業務である登記や供託、行政書士が行う文書作成業務、税理士の業務である税務申告、弁理士が行う特許申請業務も行うことができます。

弁護士が扱う事件には、大きく分けて民事事件と刑事事件があります。
民事事件は、金銭の貸借、不動産の賃貸借、売買、交通事故、欠陥住宅や医療過誤など、日常生活で起こる争いです。民事事件には、離婚や相続などの家事事件、商事事件、労働事件、行政事件などを含みます。
弁護士は、依頼者の法律相談、和解・示談交渉、訴訟活動や行政庁に対する不服申立に関する法律業務を行います。

刑事事件は、罪を犯した疑いのある人の捜査や裁判に関する事件であり、弁護士は弁護人として被疑者や被告人の弁護活動をします。

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司法書士
司法書士の業務範囲は限られていますが、それでも法律に関連する書類は数多くあり、業務内容も多岐に渡ります。
土地や建物の登記、商業登記、法務関係、裁判業務における書類作成など、公的機関に提出する書類作成が主な業務です。

司法書士法や司法書士法施行規則に規定された業務は、以下のとおりです。

1) 登記又は供託手続の代理
2) (地方)法務局に提出する書類の作成
3) (地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
4) 裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
5) 上記1~4に関する相談
6) 法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)のみ
簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談
7) 対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談
8) 家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務

上記6の認定司法書士とは、法務省で一定の研修と考査を受けることにより法務大臣により認定を受けるものです。

司法書士業務は主に登記・供託に関する内容で、法曹資格はありません。しかし弁護士業務を補うという目的で認定司法書士の資格を得ることで、一定の範囲で紛争解決に関する業務を扱うことが認められるため、簡易訴訟代理等に関する業務を行うことができるようになります。

この背景には、近年の多重債務者問題の増加により司法書士法が改正され、司法書士にも一定の借金整理の手続及び140万円以下という少額の民事訴訟の和解・交渉・訴訟代理権が認められるようになったことがあります。
現在、司法書士のほとんどは認定司法書士を受けています。

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まとめ

弁護士と司法書士との一番の違いは、与えられた責任権限です。それにより業務範囲も異なります。弁護士は法律に関する高い専門知識と技術により、業務全般を扱うことができるのです。

<参考>
日本司法書士会連合会-司法書士の業務
日本弁護士会連合会-弁護士の使命と役割

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