ロー生が就職活動を行うとき、どのように自己PRをすればいいか

更新日:2018/08/02
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ロー生が就職活動を行うとき、どのように自己PRをすればいいか

管理部門・士業の転職

法科大学院(日本版ロースクール)とは、司法制度改革の目玉として、2004年から導入されている制度です。修了者には法務博士の学位が与えられます。近ごろは、就職活動をする法務博士(ロースクール見込みも含む)も増えています。企業に対してどのような自己PRをすると有効なのでしょうか。

法科大学院生(ロー生)の就活

法科大学院は、弁護士・裁判官・検察官になるための知識や技術などを養成するための専門職大学院です。よって、従来型の大学院(法学研究科)のルート(法学修士・法学博士)とは区別されています。

また、大学を卒業し、原則としてこの法科大学院の課程を修了した者に対して、司法試験の受験資格が与えられます。司法試験は、弁護士・裁判官・検察官になるための法曹資格を得るに値するだけの素養のある受験者をペーパーテストによって選抜する試験です。

よって、法科大学院を修了した法務博士は、司法試験を受験して法曹を目指すことを前提として、この一連の法曹養成課程は設計されています。就職活動を行うとすれば、司法試験に挑戦し、5年間に5回の受験制限に引っかかるなどして、法曹の道を断念せざるをえない人だと考えられていました。
しかし、近年、法科大学院生(ロー生)が、一般企業や法律事務所への就職を考えて行動する例も決して珍しくありません。
法科大学院で学んで、「自分は法曹や司法試験に向いていないと感じた」「法曹への道は、自分にとっては違うと思った」などの消極的な理由だけで、ロー生が就活を始めるのではありません。

法務博士という学位のアピールポイントや、法学部の新卒者よりも深く法律を学んだ実績などを武器にして、一般企業への就職を目指す例もあります。現代は、コンプライアンスなどの要請があり、法的素養のある人材を企業が求めています。また、ロー生から、法律事務所のスタッフの中でも法律に精通した「パラリーガル」になる例も増えています。

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就活を始めるロー生が準備すべき自己PRとは?

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法科大学院生(ロー生)が就職を目指すとき、一般的な新卒学生に比べると、どうしても年齢が高くなってしまいます。法学部卒を対象にした既習コースで2年間、法学部以外の他分野からの参入を対象にした未習コースで3年間の課程を経ていますので、若くとも24~25歳です。一度、社会人になってから法科大学院へ進学した人であれば、30歳を超えている例も珍しくありません。

もし、ロー生を社会人経験がない新卒者と同等の立場として扱うとするならば、年齢が高いというだけで就職には不利な要素となりがちです。新卒の学生に対して、企業は若さや柔軟性などを期待しているからです。
また、ロー生が就職活動を行っていると、企業の採用担当者からは、「どうして弁護士を目指すはずの人が会社に入ろうとしているのか」と疑問を持たれる場合もありえます。

そこで、まずは「年齢」の不利をカバーし、「ドロップアウトイメージ」を払拭する自己PRを考えなければなりません。
比較的年齢が高いことについては、「その分、法科大学院で勉強してきました」とか「気持ちだけは若いと言われます」などの自己PRをしがちですが、若さや素直さを自称したり、勉強熱心であることを強調したりしても、採用担当者の心にはそれほど刺さりません。

面接では、常に前向きに何かに取り組んでいる姿勢を伝えたり、受け答えで自分のこだわりばかりに固執せず、柔軟性を示したり、明るい表情や張りのある声などを心がけたりして、より具体的に若々しさや素直さを表現してみましょう。
また、採用担当者から「なぜ弁護士を目指さないのですか」と尋ねられることがあるはずです。実は法曹に未練があり、就職後に司法試験の勉強をして、業務に支障が出るのではないか、すぐに辞めるのではないかといった心配からそのような質問をする背景があります。面接では、司法試験合格に向けて学んだ知識や、これまでの経験を社会人として活かしていきたいことを自己PRとして伝えると、評価されやすくなります。

上記をまとめたものがこちらです。
<ロー生が自己PRで評価されるポイント>
・前向きに取り組んでいることを伝える
・自身のこだわりに固執せず、柔軟であることを表現する
・司法試験に未練がないことを伝える

以上のように、採用担当者の不安要素を払拭させた上で、積極的な自己PRを考えるようにしましょう。

就活でしばしば間違われやすいのですが、自己PRと自慢話はイコールではありません。
自慢でも問題ないのですが「会社に対して、どれだけの利益を出せる潜在能力があるか」という視点から、自分自身の長所を伝える必要があります。

たとえば「憲法や刑事訴訟法に詳しい」ことは、ロー生としては素晴らしいのですが、企業の儲けに直接繋がる能力とは限らないので、決して有効な自己PRとはいえません。その代わりに、ここは「会社法や労働法が得意でした」と伝えるほうが、ビジネスに活かせる自己PRに直結します。

法科大学院から一般企業に就職する例は、今では珍しくありませんし、企業側からも法科大学院修了生が求められています。大企業の法務部に就職するだけでなく、他分野でも法科大学院で培った知識や論理的思考力、プレゼン能力は活かせます。また、公務員試験を受け直して、都道府県や市町村、あるいは省庁の中で、法律知識を活かす例もあります。

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まとめ

ロー生に向けては、人材系の民間企業が提供する就職支援サービスもいくつかあります。そうしたサービスも活用して自分の強みを見つけながら、法曹以外の道を前向きに、自信をもって切り拓いていただきたいです。
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