弁護士として初めて就職する時に最適な時期とは
弁護士として初めて就職する時に最適な時期とは
司法修習生にとって、最初の就職活動はその後のキャリア形成を決する点でも大切です。ただし、司法修習と並行して、就職活動を行わなければならない点では、修習地も含めて検討すべき課題が様々あります。特に弁護士を選択する修習生は、どのような点に気をつけるべきでしょうか。
最適な就職活動時期とは
弁護士を志望する司法修習生の就職活動の時期として最も適しているのは、実務修習に就いている時期だといえます。座学が中心となる集合修習は、全国の司法修習生が埼玉県和光市の司法研修所に集まってきますので、東京以外の法律事務所などに就職を希望するのであれば、面接などに出席するのが物理的に不利となります。特に後期の集合修習では、司法修習の修了試験に匹敵する「二回試験」に合格するための対策をしなければならないので、就職活動に割くだけの時間や精神力も確保しづらいかもしれません。
よって、修習地での見学や業務サポートなどが中心で、約10カ月の期間で比較的ゆとりをもって過ごすことができる実務修習の時期に就職活動を行うのが王道です。研修先の法曹の先輩方も、理解を示し、時間などの融通を利かせてくれることが多いでしょう。
ただし、たとえば東京での就職を希望しているにもかかわらず、東京へのアクセスが厳しい修習地に就いてしまうと、就職活動が困難になり、東京修習のライバル達に後れを取ってしまいます。修習の希望で「東京」「立川」「横浜」といった人気の集中する修習地ばかりを挙げていると、簡単に第4希望で決まりかねません。視野を広げて、鉄道や新幹線などでも無理なく東京へ行ける、北関東や長野・新潟・福島などを上位希望に挙げておくといいでしょう。
法律事務所へ就職する場合と企業内弁護士へ就職する場合は、異なるのか
司法修習生が法律事務所に就職活動をする場合と、一般企業に就職活動をする場合とで、手続き面では基本的に変わりません。エントリーシートを提出し、書類選考と面接を経て、正式に内定が出るかどうかが決まります。
ただ、法律事務所に就職する場合は、同業の先輩が多い一方で、一般企業の組織内弁護士を目指す場合には、周囲は弁護士資格どころか法律知識もない人々を相手にすることになります。
法律事務所で、弁護士の先輩が多いことで、安心する人もいれば、かえって緊張する修習生もいます。一方で、一般企業への就職を目指すときも同様、周囲に弁護士がほとんどいないことで、アウェイ感や居心地の悪さをおぼえることもあれば、かえって自分の技術を活かしたいとモチベーションが上がる場合もあります。
こうした傾向は、個人の性格や受け止め方次第だといえます。
初めての就職!準備する各種書類のポイントとは
司法修習生が法律事務所などへ就職活動を行う場合でも、揃えるべき書類は一般企業での就職活動と基本的に変わりません。各法律事務所の求人での指示に従って、エントリーシート、履歴書と、職歴がある方は職務経歴書などを提出するといいでしょう。
司法試験での成績がチェックされる場合もありますが、じつはそれほど重視していないところが多いようです。ほとんど実力や印象が拮抗している司法修習生の応募者が複数いたとして、さいごの決め手で司法試験の成績がものをいう場合もあるようです。ただ、基本的には、書類審査時の自己PRと、面接での受け答えの印象などが結果を左右します。
司法試験の成績が抜群に優秀な層は、大手法律事務所が司法試験合格発表前の段階で「青田買い」をしているものです。もちろん、司法試験の成績だけでその後の弁護士人生が決定づけられるわけではありません。ペーパーテストで見劣りするなら、「人間味」で逆転を図りましょう。
初めての就職!面接への対策とは
成績がよくて優秀でも「一緒に働きたくない人」はいるものです。一緒に働きたいかどうかは、人間味や魅力、人柄などが求められますので、その点でも面接は最重要に押さえておかなければならないポイントです。
ただ、一般企業の新卒組とは異なり、司法修習生で就活の面接をみっちり練習している人は、ほとんどいません。しかし、面接は練習すればするほどうまくなるものですし、ライバルが練習を怠っているぶん、少しの練習で大きな成果を得られやすいです。
先輩や同期に面接の練習に立ち合ってもらい、感想やフィードバックをもらうことや、その練習の様子を録画して、自分自身でも客観的な視点からチェックするようにしましょう。自分の姿を動画で見ることは、気恥ずかしさや違和感をおぼえる人も多いでしょうが、その違和感が気にならなくなるほど練習すれば、内定は間近です。その姿勢はきっと、弁護士として活動するときのプレゼンテーションの向上にも役立つでしょう。
まとめ
司法修習生の就活対策も、一般企業のそれと大きくは変わりません。ただ、司法試験に合格していることの慢心からなのか、面接対策をおろそかにしている人が大半です。司法試験の成績に自信がなくても、面接さえ攻略すれば十分に逆転できます。
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