文系出身でも弁理士になれるのか?文系出身弁理士のキャリアを解説!

文系出身でも弁理士になれるのか?文系出身弁理士のキャリアを解説!

2019/11/14

一般的に弁理士は理系の資格といわれています。
弁理士は知的財産の専門家ですが、特許事務所に勤める弁理士の業務内容は、企業からの依頼による特許を扱うケースが大半です。
企業からの特許関連の依頼のほとんどは高度な専門的技術・発明に関わるものであるため、その内容を十分に理解するには理系的素養が求められます。
では文系出身者の場合、弁理士になることは難しいのでしょうか。
今回は、文系出身者でも弁理士になれるのか、という点について解説します。

この記事のまとめ

・毎年一定数の文系出身の弁理士試験合格者がおり、文系出身でも弁理士になることはできる

・弁理士は文章力やコミュニケーション能力など文系的素養も求められる

・文系出身の弁理士は、特許事務所での商標出願や意匠出願の業務や企業内弁理士といったキャリアがある

文系出身でも弁理士になれるのか?

弁理士の仕事は特許・商標・意匠の出願業務が中心ですが、文系出身者の場合は技術的・科学的領域に関わる特許ではなく、商標、意匠関連の仕事を希望することが多いです。
しかし出願の件数だけをみると、商標の出願件数は特許出願件数の4分の1、意匠に至っては8分の1に過ぎません。
こうしてみると、理系的素養を伴わない文系出身者が弁理士を目指すのは狭き門であるようにも思われます。
しかし弁理士を目指すにあたって、文系出身者が全面的に不利になる、ということはありません。
弁理士全体の割合としては少ないですが、一定数の文系出身者はいます。
もし、後で述べるような文系的素養を活かした強みを発揮できれば、逆に希少価値を生み出すこともできるでしょう。

文系出身でも、弁理士になることができるのです。

弁理士試験の文系出身者の割合

特許庁によると平成30年度弁理士試験の志願者数3,977人であり、そのうち「理工系」が2,897人で全体の72.8%、「法文系」が822人で全体の20.7%を占めていました。
全体の割合としては、理工系が約7割で法文系が約2割、その他が1割となっています。 この割合自体には毎年大きな変動は起こっていません。

志願者のうち受験して合格したのは260人で、出身校(大学)系統別の内訳では理工系が214人で全体の82.3%、法文系が33人で同12.7%、その他が13人で同5.0%という結果となっています。
合格者数でみると理工系が全体の約8割、法文系が約1割という割合です。

合格率でみると、理工系出身者の場合は7.4%であるのに対して法文系出身者では約4%と、法文系の方がやや合格者の割合が低くなっています。
結果だけみると文系出身者の方がやや狭き門とはいえるでしょう。
しかし、少数ではあるものの毎年一定数の文系出身の弁理士試験合格者が誕生しているのは間違いなく、「弁理士は理系資格である」とは必ずしもいえません。

弁理士は文系的素養も求められる仕事

理系出身者が多い弁理士ですが、実際に知的財産に関わる業務に従事すると、少なからず「文系的素養」が要求されることが分かります。
以下では、弁理士に要求される文章力、コミュニケーション能力、語学力について解説しましょう。

文章力

弁理士の主な仕事は、特許庁への特許、商標、意匠の出願業務です。
出願にあたっては、知的財産の内容について詳しく明文化し、文章で説明することが求められます。
特許の出願においては、その技術的、科学的内容を熟知している必要があるのと同時に、その内容を文字で分かりやすく伝える文章力が必要です。

コミュニケーション能力

弁理士が出願業務を行う際、クライアントと詳細にコミュニケ―ションをとり、その内容を深く理解することが求められます。
その際、クライアントとのやりとりをスムーズに行うだけの対人能力、人間力が不可欠です。
理系出身者の場合、学生時代から数字と向き合い、理詰めで物事を考えるタイプの人が少なくないため、この点を苦手とする人もいます。
こうしたコミュニケーションに関わる部分は、言葉や文字(メールなどでのやりとり)をうまく扱う能力に関わることであり、文系的素養の範疇といえるでしょう。

語学力

弁理士には専門とする分野に関する高度な知識が要求されます。
しかし近年、グローバルに活動する企業が増えていることから、専門知識に加えて語学力が求められることも多いです。
例えば外国への特許の出願をする場合、あるいは外資企業からの依頼を受けて日本の特許庁に出願を行う場合、一定水準以上の語学力がなければ対応できません。
英語であれば、TOEICや英検などで評価される標準的な語学力だけでなく、専門用語やその分野独特の表現・用法も理解する必要があります。
高い語学力を持つことは、弁理士として大きな強みとなるでしょう。

文系出身弁理士のキャリア

弁理士資格に合格したら、理系出身や文系出身に関わらず、キャリアアップを図っていくことが大切です。
文系出身弁理士がキャリアを積んでいく方法としては、商標や意匠の出願を多めに扱う特許事務所で働く、あるいは企業内弁理士として働くという方法があります。

特許事務所

先に述べた通り割合としては少ないですが、特許事務所では文系出身者が取り組みやすい商標出願や意匠出願の業務があります。
これらの業務は高度な技術領域の知識がなくても従事できるので、文系出身弁理士でもキャリアを積みやすいです。
また、特許事務所には「期限管理」の仕事があります。
知的財産に関する権利の取得や維持においては、期限を守りながら適切な手続きを行うことが不可欠です。
そのため期限管理は特許事務所にとって最重要業務の1つといえますが、文系や理系などの分野に関係なく従事できます。

企業内弁理士

最近では、特許事務所ではなく一般企業に就職して、「企業内弁理士」として活躍するケースも増えています。
企業で働くためビジネスマンとしてのスキルが求められ、プロジェクトの管理者としての能力なども必要です。
会社の業種にもよりますが、文系出身弁理士が活躍できる場が多くあります。

まとめ

「文系出身でも弁理士になれるのか?」という点に関しては、疑いなく「なれる」といえます。
弁理士というと理系資格とのイメージがありますが、実際にはそうではありません。 弁理士試験の選択科目には「理工Ⅰ~Ⅴ」に加えて「法律」もあるため、理系の知識を持たなくても受験できます。
弁理士試験合格後も、意匠出願や商標出願の業務など文系出身弁理士が活躍できる場はあるので、文系出身だからという理由で弁理士を目指すことを諦める必要はありません。

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